■ホスピスケアとは

余命が限られた不治の患者が、
身体的、心理的、社会的、霊的苦痛から解放され、
残された日々を、 人間として尊厳を保ちながら、
心身ともに安楽に過ごすことができるようにするためのケアである。

■在宅 ホスピスケア

患者の自宅て実施されるホスピスケアのことをいう。
家は患者や家族が最も安らげる場であり、
自分たちの意思を最大限実現できる場所である。
したがって在宅ホスピスケアは、
最後の日々を、最も安らげる場である家で過ごしたいと願う患者や
家族を援助し、その希望を叶えるためのケアである。

その実施にあたっては
患者と家族の理解と同意を最も重視する。
在宅ホスピスケアを受けている患者は、 いつでも自由に施設ホスピスケアへの移行や、
延命を目的とした治療への変更を希望することが出来る。
ケアに携わる医療者は、そのような患者の希望を最大限尊重する必要がある。
■ホスピスケアの基本理念

1) 患者や家族の生命・生活の質を最優先し、
患者と家族が安心して家で過ごせるケアを実施する。
2) 人が生きることを尊重し、人それぞれの死への過程に敬意をはらう。
死を早めることも死を遅らせることもしない。
3) 患者の痛みやその他の不快な身体症状を緩和するとともに、
心理的社会的苦痛の解決を支援し、霊的痛みに共感し、
生きることに意味を見出せるようにケアする。
4) 患者の自己決定、家族の意思を最大限尊重する。
■ホスピスプログラム

ホスピスプログラムでは、主に症状の軽減、緩和ケア、
患者と家族に対する精神面のサポートを行います。
ホスピスプログラムでは、診断検査や延命に重点を起きません。
ホスピスとは、死が迫っている患者とその家族の苦痛を、
最小限にすることを主な目的とするケアの概念でありプログラムです。
米国では、ホスピスは、自宅で暮らす重病患者を支援するために、
広く利用されている唯一の総合的プログラムです。

ホスピスプログラムは、症状の軽減を優先し、
診断検査や延命治療をほとんど行いません。
また、終末期の患者と家族に対し、適切なケアと緩和ケアについての指導が行われます。
ホスピスプログラムには常に、医師、看護師、ソーシャルワーカー、
介護人(ホームヘルパーなど)といった多様な専門家が関与します。
また、薬剤師、栄養士、療法士がかかわることもあります。
ホスピスプログラムのスタッフは、
自宅や介護施設、あるいは他のケア施設で患者のケアを行います。
ホスピスプログラムのスタッフが、
病院やリハビリセンターでケアを行うことは通常はありませんが、
多くの病院に、ホスピスと同様の観点で、
全体的な症状の治療を行うケアプログラム(緩和ケアサービス)が設けられています。
ホスピスプログラムによって、
すぐに提供できるサービスや対応している治療や装置は異なります。
■施設でのホスピスケア(緩和ケア病棟のある病院)

ホスピスケアとは、主に末期癌患者に対して、
緩和治療や終末期医療(ターミナルケア)を行う施設のこと。
自らの意思と選択にもとづいて、
人世最期の時間を少しでも快適に生き、安らかな尊厳に満ちた死を迎えたいと、
自ら望む末期がんの患者さんをサポートします。
患者さんには、抗がん剤などの強い治療は行わず、
主に麻薬を使用する「痛みのコントール」と、精神的・社会的な援助を行いながら、
死が訪れるまで、生きていることに意味を見出せるケアが施されます。

ホスピスでは一般病棟に入院するのと同様に、
社会保険、国民健康保険など各種健康保険が適用されます。
どのホスピスケアが最適かは、
対象となる患者とその家族の必要性や要望、経済的状況、
地域のプログラムの受入れ能力などに左右されます。
■ホスピスケアの内容

ホスピスケアでは、必要な治療をほとんど提供することができ、
医師が常駐しています。
通常は看護師が、薬物投与、酸素療法、点滴のチューブ(静注ライン)や
その他の特殊器具などのケアの、全般的な計画を監督します。
また、ソーシャルワーカーや牧師、ボランティアの人などが、
対人的、精神的、経済的な問題に対処するための支援を行います。

グリーフ(GREF)カウンセラー(死別カウンセラー)は、
悲嘆に沈む人をサポートし洞察を促します。
ホスピスケア計画では、
愛する人の死期に直面し、死の到来に対処することへの心構えとして、
患者の家族に、自身の役割や必要な支援を得る方法などを伝えます。

ホスピスを必要とするほど重い病状の患者は、ほとんどの場合、
日常活動(着衣、入浴、食事の準備など)に多少の介助が必要で、
完全な依存状態の場合もあります。

家族や友人がそうした世話をしていることが多く、
ホスピスや家族が有償の訪問介護を依頼する場合もあります。
大半のホスピスサービスは、メディカルケアや保険の支払い対象になりますが、
通常は対象の患者に末期の疾患があり、
「余命が6カ月未満であること」を医師が証明した後に限られます。
医師は、ホスピスプログラムの対象外の、
治療可能な病態が発生する可能性があるという理由から、
ホスピスの利用に懸念を示す場合があります。
しかし、多くの治療可能な病態が、ホスピスケアの対象範囲内ですし、
患者はいつでも、有望な治療を試すために、ホスピスをやめることができ、
後に再登録することもできます。
したがって、こうした懸念は正当ではありません
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