灘黒岩水仙郷(なだくろいわすいせんきょう)は、
兵庫県南あわじ市 灘黒岩に位置するスイセンの群生地で、日本三大群生地の一つ。
諭鶴羽山から紀伊水道に続く斜面約7haに、約500万本のニホンズイセンが自生する。
水仙郷は、淡路国が徳島藩の領地であった1820年代に、
近隣の住民が海岸に漂着した球根を植えたのが始まりとされている。
兵庫県内のみならず近畿各府県からの観光客が訪れる一大名所となっている。
水仙は、スイセン属、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)の属のひとつで、多年草である。
冬から春にかけて、白や黄の花を咲かせるものが多い。
草丈は、品種・環境によるが、15 - 50cm程度である。
茎は、黒い外皮に包まれた鱗茎の内部にある。そのため切断しない限り人の目に触れることはない。
葉身は、若干厚みがあり扁平で細長く、つや消しのような表面をしている。
葉の間からつぼみをつけた花茎が伸び、伸びきるとつぼみが横向きになり、
成熟するとつぼみを覆っていた包を破って花が開く。
典型的なスイセンの花の場合、雌蕊(しずい)は1本、雄蕊(ゆうずい)は6本。
6枚に分かれた花びらと、中心に筒状の花びらを持つが、6枚に分かれている花びらのうち、
外側3枚は萼(がく)であり、内側3枚のみが花弁である。
二つをあわせて花被片(かひへん)と呼ぶ。
一方、中心にある筒状の部分は副花冠(ふくかかん)という。
花被片・副花冠の形状と花の着き方により、品種を区分する。
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