行動科学とは何か Behavioural science |
「行動科学マネージメント口座」 より転載要約
社団法人行動科学マネジメント研究所所長・石田淳氏
■行動科学マネジメントの考え方
なぜ組織が活性化しないのか?
マネジメントの原則が間違っている
人間関係を重視しない成果主義はよくない
成果主義の導入により、心を病む社員が急増
行動に焦点を当てる
無理なく、いつどこで誰がやっても同じ効果を得られる
プロセスに視点を向ける
一般的なマネジメントは、結果だけを見ようとする
結果は「行動の連続」「行動の積み重ね」によって生まれる
結果を変えるには、そこに至る行動を変える
結果を生むプロセス、すなわち人間の「行動」そのものにも目を向け、
具体的に分析し、そして、無理なく目標を達成させる手法
■行動科学マネジメント理論
・実用的な方法
行動分析で実証された心理学であり、データに基づく科学的マネジメント方法
・すぐに成果が得られる
行動科学マネジメントは、問題解決のためのステップが具体的にわかる
・精神的な学問や訓練は不要
客観的行動に焦点を当てるのが鉄則。対象はあくまで現在の行動。
・パフォーマンスを最大限にする
業務行動に焦点をあて、段階ごとにゴールを設定する
・職場が楽しくなる
行動科学マネジメントの仕組みを正しく理解させれば、
仕事を楽しみ、自発的な行動が増え、持続性を確実に向上させる
「人間関係重視」に回帰すべき
■ビジネス成果は「行動」の積み重ねで生まれる
結果とは、行動の積み重ねによって生まれる「産物」
3つの要素の頭文字を取って「ABCモデル」という
A(先行条件)のためにB(行動)をした時、C(結果条件)が得られる
メリットが得られるものであれば、人はB(行動)を繰り返す
C(結果条件)が期待外れの場合は、B(行動)を変える
個人個人の行動の積み重ねが、企業全体の業績となる
すなわちビジネスとは、個人の「行動の集積」の結果である
■自発的に行動し、行動を持続させる「仕組み」
結果に直結している「望ましい行動」を見つけ出す
「仕事のやり方、手順がわからない」人に対しては、それを教える
行動を分析し、チェックリストを作り、反復させる
チェックリストを使った「行動の分析」
・ 「ペットボトルからコップに水を入れて飲む」
という行動の分析は、28stepまで分解できる
・行動を細かく分析し、その1つひとつのStepを順に行動ができるようにする
これが、行動科学マネジメントの考え方
・1つ目の解決法のキーは「チェックリスト」、
2つ目の解決法のキーは「リインフォース」(ご褒美)である、
■組織に必要なもの、非金銭的報酬がやる気を生む
「トータルリワード」とは報酬の考え方を示す
金銭による報酬の他に、金銭では得ることのできない、
さまざまな「報われ感」も報酬として与える、という考え方
「報われ感」も報酬として与える
「この会社で働いてきてよかった」「この人たちと仕事ができてうれしい」
そう思えるような組織
・「評価」というリインフォースがある
行動科学には「60秒ルール」 その現場で褒める。評価ポイントを渡す
・時間を空けずに、簡単に、そして決してお金をかけずにできる
望ましい行動に対する「ごほうび」は2週間以内
・1回叱ったら4回ほめる
■何をやっても「続かない理由」
行動科学の見方では、物事の続かない理由は2つある。
■ 1つ目は「やり方がわからない」
「どんな行動を取ればいいのか」 を知る
■2つ目は「やり方はわかっているが、継続の仕方がわからない」
■行動に着目すれば、物事は簡単に継続できる
「続けさせる技術」
1つ目は、ターゲット行動の発生をコントロールすること。
2つ目は、ターゲット行動を邪魔するライバル行動の発生をコントロールする。
■行動に着目 課題を明確にする
継続したい行動には、2つのパターン
・なぜ続かないかを、行動を分析し、
続けるための具体的な計画を組み、自分の行動を変えていく
「不足行動を増やす」パターン(英会話学習やランニング)
「行動しやすくする」 これが継続の近道
(1)行動の補助をつける- 補助的な用具を揃えて刺激を与える
(2)動機付け条件を作る- 行動した時のメリットを準備する
(3)行動のハードルを低くする- 行動しやすい状況をつくる
「過剰行動を減らす」パターン(禁煙やダイエット)
「行動しづらくする」 これが継続の近道
(1)行動の補助を取り除く(タバコを例に、タバコや灰皿を捨てる)
(2)動機付け条件を取り除く(タバコに代わるチェンジ行動を探す)
(3)行動のハードルを高くする(喫煙道具をすべて捨てる)
スモールゴールの設定で新しいことに挑戦させる
続けるコツは3つ
「行動の補助の決定」
「動機付け条件の調整」
「ハードルの調整」
行動に着目すれば、どんな行動でも、100%続けさせることができる。
■なぜ危険は起こってしまうのか、「行動」に着目
企業活動に潜む危険
従業員の些細な行動が大事故につながる
「従業員の肉体的・精神的な危険」
通勤途上やオフィスなど、社員のちょっとした行動が大きな事故を引き起す
ストレス性障害やうつ病など精神面の症例が多発し、業務に支障をきたす
「企業が正常に存続できなくなる危険」
機密漏洩や企業買収、訴訟問題などによるビジネス上の危険
「ハインリッヒの法則」
1件の重大な災害の陰には、
29件のかすり傷程度の小さな災害があり、
さらにその陰には3000件の「ひやり」とした体験がある
安全に必要なものは何か、「行動」の仕組みづくり
「安全な作業条件と設備」
「安全な作業手順」
「安全性の訓練」
安全対策を徹底するためには「PST」の結果が重要
「PST(ポジティブ・即時・確か、の頭文字をとったもの)」
ここに着目すると、なぜ危険につながる行動をとったかが、よく見える
「(行動する人自身にとってポジティブかネガティブか)」
「タイミング(即時か即時ではないか)」
「確率(確かか不確かか)」がある
すべての結果はこれらの組み合わせとなる
企業活動の安全には、従業員1人ひとりから、
危険行動を消去し、安全行動を引き出してくことが必要
安全を確かなものにするには、徹底した「サーベイ(調査・測定)」を行う必要
大事なのは、行動レベルにおける数値化
危険につながりかねない行為を回数を把握すること。
把握できた後は、「するべき」行動を習慣化・定着化させる
■行動を続けさせるには、計測と視覚チェックが大事
大きな動機付けは、ほめること承認すること7つの法則
① 測定の必要性、ずばり「計測を続ける」こと
② 「グラフでほめる」
行動の計測では、日々行動が増えていることを視覚化する必要があり、
③ 60秒以内にほめる
ほめるタイミングは即時がベスト
必ず具体的に行動をほめること
④「メールや面談で報告させ」上司から一言、返信する
部下は「関心を持ってくれている」と上司へ信頼感は大きくなる
⑤「第3者を通じてほめる」
より効果があり行動の継続の動機付けだけでなく、信頼関係の強化にもつながる
⑥「場を設けてほめる」
朝礼などの場でみんなの前でほめる
自分だけでなく、他のメンバーの行動もきちんと評価されていることを認識できる
⑦1回叱ったら4回ほめる(認める)
■部下が目指したくなるオープンなリーダーになれ
部下が上司をほめるオープンん雰囲気をつくる
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